WORD LYRIC POEM RHYME
2004-12-20T21:47:04+09:00
siko_yugi
思考遊戯の作品集です。
Excite Blog
我が踏むは時の闇か
http://sikoyugi.exblog.jp/1471607/
2004-12-20T21:47:54+09:00
2004-12-20T21:47:04+09:00
2004-12-20T21:47:04+09:00
siko_yugi
詩
3次元では無く2次元であればこそ
時が経ってから心の器に満ちていく機会が得られるというものだ
詩歌と言うものの形式やスタイル
更に言うなれば生き方
芯を機軸とし響く声を糧とし
それは色とりどりの四季の様に移り行くものだろう
ただ真に響く声を発する者に出会う事は皆無に等しいのも事実なのだ
多くの助言は心を迷わすだけだ
それが善意の基の言葉であろうとも
それを選択肢の1つとして道を歩む事がきっと最善なんだろう
常に胸に秘めたる言葉は道半ば
自らを信じたら自信というモノになり
それを周りが認めなければ過信というモノになるのだろう
可能ならば自信か過信か確かめてみたいのが人の常
痛みを伴う結果であれ穢れ無き赤子ではないのだから
心に風穴が空くとは「まさかな」と呟いた日に
脳漿から消えた生きる事の意味
門前で遊ぶ子供たちを見下す程愚かではない
羨ましくもあり眩しくもあるのが率直な感想だ
ただ彼らの会話まで聞こうとは思わない
それとこれとは別なのだ
私は誰がどう言おうがそれは仕方のない事だ
ただ私を何と言おうが
逆に言えば相手の名が私の記憶には残る事はない
風が吹いて流れて消えていく言葉
流れて消えていく人
その全てを記憶する余裕は僕にはない
静けさの中 見つけたのなら
追うがいいだろう 脳内に迷う
風に誘われて 華麗な野花へ
辿り着いても 青い月へと
行きたくなるのは 日々は歌うのさ
答えの次に問いがあり オマエの好きに追うがいい
永遠なんだよ
嗚呼、また振り出しだ ってさ
]]>
旅する者の条件
http://sikoyugi.exblog.jp/1210070/
2004-11-29T07:51:07+09:00
2004-11-29T07:49:24+09:00
2004-11-29T07:49:24+09:00
siko_yugi
詩
帰る国があるから旅が出来る
居場所があればこそ出来るんだよ、分かるかい?
放浪者と乞食の区別は俺には難解だな
目的があればこそ違いもあるのだろうが
その目的とやらがあったにせよ
あるのかい、理想郷ってのは
あれば流離わず最短で俺はそこに行くさ
辿り着けば理想郷は理想郷じゃなくなるんだがな
帰る場が無ければ旅なんてないんだ
光の裏側には闇があり
聞くのはたまに見る夢や希望も幻想で騙し騙されてるって話ばかり
残酷なまでに現実は戦慄の連続 天遠く感じ俺はペンを置く
絆はいつか壊れ残るのは傷だって気付いているのに求めてしまう
幸福の死角はもう何年も前に見抜いている
どちらも受け止め修繕する壁面
この瞬間俺がどうするべきで、なんて分かってるさ
進化してたつもりが
階段を一歩一歩確実に登ってたつもりだったが
実はその場で自らを何処まで高めるか
その先でやっと眺める絵図が明確になると気付いた
登ったつもりが実は逃げてたのさ
卑下ではなく事実だ
だからこそ言うが宝物は流離えども見るかるはずもない
其処にあったのにお前は気付かずに又何処かにあるんじゃないかと
探してしまうんだな
どんどん無くしていくんだ、その繰り返しで
「今の会社より次の会社だ。キャリアアップだ。」
「今の彼氏もいいけど、この前会った人は運命を感じるの。」
「今のままじゃ駄目だと思うから留学するよ。」
「今の髪型似合ってなくない?明日、美容院に行ってくる。」
「今の世の中やってられないよ。」
「今の俺は駄目だ。子供の頃に戻りたい。人生やり直したい。」
そう
今の否定 過去や未来への憧れ
全て現実逃避さ
今を その場所で根を張って生き抜いてる奴にしか明日は来ないのさ
気紛れで流離って何を掴んだって言うんだ
お前の笑顔は光っていない
曇ってるから流離うんだ
貴方の旅は旅じゃない ただの逃亡だ
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壁の先にある光景
http://sikoyugi.exblog.jp/1210065/
2004-11-29T07:50:12+09:00
2004-11-29T07:48:29+09:00
2004-11-29T07:48:29+09:00
siko_yugi
詩
余裕っていう金なのか幸せなのか分からないがそういうモノがあったなら、人は地獄に追い落とされた過去があってもそれを経験や想い出って言葉にするんだろうなってな。
「あの頃はこんなに辛い事があったんです。だから今の僕があるんです。」なんて言うんだろうってさ。
例えば1000万騙し取られた後に3億稼げば、それは想い出や経験って名前に変わる。1000万騙し取られた為に首を吊る事になればそれは永久の地獄さ、想い出でも経験でもないんだ。恨みとかそういう名前になり、それが心の全てを支配するだろう。
やがてそれと同化するんだろうよ。
それが壁って魔物だ
食うか、食われるか
乗り越えれば景色は暖かい
乗り越えなければ灰色の壁に押しつぶされ闇を彷徨う
憑依するカルマ 微妙に狂う数が
夢消え去りて流れ 憂いて足掻いて眺め
終焉に相応しい光景 修正し再び未曾有へ
壊れた硝子細工踏む お前は浅く掻い潜る
捨ててしまえばいいのに 夢で見た絵が染みとおり
また追うか夢って奴を 探そう集めて明日も
壁が崩れ落ちつつある
否、俺が山を登ってるのか
悪くない眺めだ
小石に躓き挫折を経験した気になってるようじゃ
見えない景色さ
さあ登る前に一度
苦悩っていう相棒と語らってみなよ
壁が見えるのはそれからだ
俺と酒を呑めるのはその壁を乗り越えた後だ
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LOST
http://sikoyugi.exblog.jp/1210056/
2004-11-29T07:48:41+09:00
2004-11-29T07:46:57+09:00
2004-11-29T07:46:57+09:00
siko_yugi
未分類
どこかで聞いた言葉が頭に浮かぶ
暗くなる必要はない きっと笑い思い出に出来る日が来るだろうから
だけど何故
俺って奴は
無くしたモノが一番大事だって
いつも
無くしてから気がつくんだろう
何故
大切なものほど
失って大切なモノだと
俺は気付くのだろう
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暗闇の先
http://sikoyugi.exblog.jp/1098843/
2004-11-21T22:08:30+09:00
2004-11-21T22:07:22+09:00
2004-11-21T22:07:22+09:00
siko_yugi
詩
昨日も誰かが闇に落とされたらしい
死のうとして死んだのか
生きようとしてリビドーに狂わされ堕ちたのか
さあ、其処までは知らないけれど
「俺はまだまだ終わらないさ」と舌先で連呼
今見える光景
日常の中の非日常 平凡の中の狂気 SHOWみたいに表裏一体だ
智と武を兼ね備えた将の様であれば魅力的ですが、そんな人には最近会いませんね。死にたいと言いながら生への執着が人一倍な精神病患者や抗鬱剤が手放せない精神科医。
歩くにも不自由だと嘆く身体障害者が踊り狂う様な摩訶不思議な理不尽な世界。そんな世界が僕には見える。
その光景が意外に心地よい自分もいるのですがね。
今後、ゴッホにならない保証はないが
現状の延長線上で考えれば僕はまだ正常に生きている方だろう
どうだろう?
やはり狂っているかい?
100年の後に名を残す才も無いのにあんなに病んだりすれば
それを不幸と呼ばずに何と呼ぶのだろうか
だから否定しておこう
僕は狂ってはいない、と
確かに僕は世の深みに嵌まるまでは無邪気だったさ
それが言葉にすら出来ぬ底なし沼でないのなら
また空を飛べるだろう
無くした羽は汚れた金では買えないだろうが
それでも僕は想う
また空を飛べるだろうって
それが
雲を掴みたいからか
人や街の喧騒や社会や世界や大地で行われる日常を見下したいからか
何故か分からないけれど
また空を飛べるだろうって
旅の先は神と会い
散った夢なんていう壊れた玩具を達観出来る様な
もしくは
また新しい玩具で遊べる様な
そんな
景色だよ
きっと死にそうな心臓が頻度良く呼吸を再び始めるんだろうよ
あんな事の後に訪れた暗夜航路 先に渡したのは患者のノートさ
今日まで俺が書き記してきた言葉が
俺の全てなら俺って奴は
人間の可能性をあまりに馬鹿にしている
]]>
止まった列車
http://sikoyugi.exblog.jp/1098819/
2004-11-21T22:07:35+09:00
2004-11-21T22:06:28+09:00
2004-11-21T22:06:28+09:00
siko_yugi
詩
言葉通りに貴方は流離うのか
逆らいと語らう僕は自らの思考を遊ぶ事も出来ずに悩むばかりだ
翼を持った男が自由に飛ぶ様を見上げ眺める事しか出来ないのが
羨ましくもあり悔しくもあるが
微笑みが僕から絶えないのは何故だろう
汗が追うのか風が問うのか
ガラス越しに語る同志との言葉は木の葉の様で諸刃なのだ
僕は人生と云う旅の終着駅を執着せずに楽しむべきなのに
あの日以来、答えのない答えを探し続けていた
その苦悩が僕を作っているのかも知れない
だけど
貴方が本当に
ただただ眩しい
去り行く前に貴方から教えを乞いたいのです
「深淵に臨むが如し」という詩経にある言葉
その時を乗り越えた貴方に見えている光景を僕に教えて欲しいのです
あれからも僕は闇ばかり追い心は病みを増すばかりで
赤いハンカチはあんなにも濡れて
僕を犯し続けます
感性と知性を割って何もない人は圧倒的に強い
だが
僕を惹きつけて止まないのは心に大きな闇を持ち
そして
その闇と向き合う男の姿です
悲しみの中にあり笑える男こそが僕を惹きつけて止まないのです
僕の乗った列車はまだ動き出さない
行き先すら分からない
僕はどこの駅に今いるんだろう
どこにこの列車は進むのだろう
終点は何処なのだろう
]]>
返答
http://sikoyugi.exblog.jp/1098791/
2004-11-21T22:06:36+09:00
2004-11-21T22:05:29+09:00
2004-11-21T22:05:29+09:00
siko_yugi
詩
その実、僕は詩的なんて高尚な人間でもなく
ただ恣意的なだけかも知れない
年輪を刻んでも私は愚かであるが故に日々学びそれを忘れ
そして学ぶ
そんな事を繰り返している
嫌気がさす程に僕は愚かなのだ
君が過去の私の行動を解釈する一方でこうして
罵ってくる事に若干の不快感があるものの
その言葉が僕にとって糧となり自戒させてくれる
ありがとう
さて
君はいつになったら壇上に立ち自説を展開するのかね
言葉を安く使うばかりでは君の才が磨かれる事も無かろう
個人攻撃だとかプライバシー無視とか陰険だとか
確かにあれは説明不足だったし僕にも落ち度は一部あったので
蒸し返す気もないのだが君が書いたそれは
個人攻撃でもなく陰険でないと言うのかな
半角を使い乱雑な文字の配置は胡散臭さや安っぽさを増長させる
君の汚い言葉の羅列もそれに同様
君に話しかけて「やろうよ」と言ったのは
こういう言葉が欲しかったからじゃない
才が見え隠れしている今の君に新しい景色を見て欲しかったからさ
さあ、背伸びする事も無く有りのままで書けと前に言ったはずだ
お前がお前である所以やお前が何を目指しているのかや
お前っていう人間を作った伽羅ではなくお前という人間を
お前自身の言葉で語ってくれないか
]]>
過去への感情
http://sikoyugi.exblog.jp/1098771/
2004-11-21T22:05:57+09:00
2004-11-21T22:04:00+09:00
2004-11-21T22:04:00+09:00
siko_yugi
詩
共に明日を迎えるだろうこんな夜に
前の彼女と僕が愛し合っていた時
あの頃も僕は前の前の彼女の事を考えていた
年月が経てば想いも落ち着き前に進むのに
何故に痛みは僕から消えていかないのだろうか
振り返って引きずって忘れようと必死なのに
それでも消えない記憶は何故なんだ
君に気付かれない様にオドけて見せて
未練って言う感情とも少し違うから
だけど君だけを愛しきれてるとも言えないんだ
どうして物語はいつも未完なんだろう
トラウマやドラマを全て消し去っておくれ
進みたい包みたい君のずっとずっと奥へ
]]>
眼前の光景
http://sikoyugi.exblog.jp/867987/
2004-11-06T21:43:06+09:00
2004-11-06T21:42:00+09:00
2004-11-06T21:42:00+09:00
siko_yugi
詩
ない者には永遠に身につかぬものだ』
眺めが流れずに高値で取引される様を見つめていた
私が渡した手紙は紙屑となり隣にいた人はもういない
景色が変わっていない理由は止まっているからか
飽きてきた風景画を破ったものの
心の奥を突き動かす絵が
もう見えないのはどうしてだろう
日々の流れは驚く程に早い
だけど
この前に見た僕と今の僕がどう違うのか
僕には分からない
無駄に消費される時間
ただ増える皺
僕は一体 何を見た
明確な絵描くなら迷惑だが性格に逆らい正確な計画を持ち
自らを磨く事でしかこの想いは払拭される事はない
物笑いにされている自分の姿や形が鮮明に見える
深い事ばかり脳に浮かべても不快なだけで向かい合わなければ
ただ痛みが増すだけだから自らを騙す日々に傷が響く
真の生への窮乏を用意周到に捻じ伏せる強さなんてないから
あの日の様に笑えない僕は
新しい僕に出会えない僕は
今はただ
逃げ惑うばかりです
貴方が見える景色は綺麗ですか
貴方の生は充実したものですか
貴方は貴方を見つけましたか
貴方は貴方らしく笑えていますか]]>
last resort
http://sikoyugi.exblog.jp/704623/
2004-10-26T11:26:58+09:00
2004-10-26T11:25:10+09:00
2004-10-26T11:25:10+09:00
siko_yugi
詩
踏み潰しペガサス流星拳 オイラ女に目が無く有名です
OH!NO 嘔吐、応答セヨ オノヨーコばりに偽善スティーロ
子供だらけの砂場で超有名な醤油系の男前な俺が見せる心構え
サードアイで見抜く矯正ブラ ハーコー改めバーコード狂言武者
AやBも販売員のお言葉に甘えてお断りしたらもう同じでバイバイキン
脱がせてやるからお願い抜かせて 淫らな口でいいからオーウマメね
シコシコ抜きの思考遊戯 まず見つかんない極上カルピス満載
ハメたらエエ子も焦っちゃやーよ 濡れ手に穴と騒ぐは雅子
適応障害でも姪御と兄弟 俺のSHOWTIME マラはデカいのまた立てた?
禿げと禿げと禿げと禿げ シートベルト締めとけー
俺の頭はマジカル頭脳パワー 言葉で編み出す相撲技
]]>
唄
http://sikoyugi.exblog.jp/704611/
2004-10-26T11:26:11+09:00
2004-10-26T11:24:23+09:00
2004-10-26T11:24:23+09:00
siko_yugi
詩
近親相姦死んじMYそうだから岡本夏生ご用達ナスビをニンジンと交換
チンチンも上手く使いこなせない若造と馬鹿者アナゴを語ろう
淫行しとる印籠持ったご隠居にMISSIONインポしこる
とーちゃんかーちゃん!倒産だっちゃ もー嫌だっちゃ
妹の離婚を遺恨に持ちつ異常に衣装着飾る素人のピロートーク
ワカメが帰ってきた クラクラクララが立った 唄歌うかラララ
修羅の間で 歯槽膿漏 嗚呼痛し 三顧の礼で 迎えし嘔吐
我は今 迷い彷徨い 押韻も 難しなれど 楽しく踏めり
踏み外し あれどされども 我楽し 踏まれるならば 顔も悦なり
男汁 抜けば抜くほど 深まりて 険しき道も 快楽へ向かふ
(自慰HARD)
]]>
JOYTOY
http://sikoyugi.exblog.jp/704603/
2004-10-26T11:25:24+09:00
2004-10-26T11:23:35+09:00
2004-10-26T11:23:35+09:00
siko_yugi
詩
ムツゴロウの息子と歌ったカラオケパーティー マラOK嗚呼E
此処裏試合 ウナギパイ食べる馬みたいな倉木麻衣並の貪欲さ
コンドルよりコンドームだ オタマジャクシのオカマも欠伸
事業家志望かミラクル伊良部マティック こちとら素面なディック峰
BBOY気取りの貧乏人は買い物すら辛抱し自慰行為は指示通り
深く帽子被る正体不明の僕、浪士 時代の申し子ドキナトウシロー
今夜も特盛り食べ掴む勝利 宇多田も惚れる深さとの噂
ニントモカントモ韻も良かっとよ
淫乱の女医の問いは妊娠OR処理行為
俺もチェックしてるぜインリンOFジョイトイ
東海道五十三次 女の子、奥さん好き
]]>
異空間のマタドール
http://sikoyugi.exblog.jp/688487/
2004-10-25T06:52:28+09:00
2004-10-25T06:50:39+09:00
2004-10-25T06:50:39+09:00
siko_yugi
詩
西暦2050年
夢の途中で目が覚めると僕は病室から外を眺めた
外と言ってもあの後だから
コンピューターが作り出した景色なんだけど
枯れ果てた僕にはこんな嘘が丁度いいみたいだ
風景画の様だがデジタル化されていてランダムに小鳥も囀る
笑顔で歩く人達 美しい緑 太陽がやや眩しい
ご丁寧に此処ではブラインドまで用意されている
あれが起きた等とは全く想像も出来ない様に病室は自宅の様だ
1日3度の食事 母さんの味にそっくりだ
食後には僕には点滴が待っている
成分についての記載はない
「精神安定剤みたいなもんですよ」と言われるが本当だろうか
どんどん健忘が激しくなっている気がする
あれを忘れさせようとしているのではないか
僕はそう考えているんだが拒否する手立てはない
そういう立場だからだ
僕はどちら側の人間でもなかった
特定の思想を持つ訳でもなく僕は平凡に生きていた
あの日
あの時
あの場所で あれを見るまでは
そろそろ朝食の時間だ
7年前に死んだ母さんが笑って僕に朝食を持ってきた
【TTB】
「ねえカシュー どうして貴女は私に唄ってくれないの」
無表情なベッドと青い花瓶だけの些細な部屋
少女は抑揚のない声で窓外の小鳥に語り掛けた
階下には見慣れたビニール素材のアスファルト
最後に踏んだ感触は今や記憶の遥か向こう
この病院に移送されてからの十四週間
目にしたのは数人の看護婦と医療用のコンピュータ
普通に生活していても何も異質さは感じられない
だが滑らかな壁の裏には27台もの監視カメラ
全職員の白衣の内側はレベル6の化学防護服
彼らは何時もそうやって少女を欺こうとする
保菌者-08
それが此処での彼女の絶対的なフルコードネーム
──例えあの出来事から何万年の月日が進もうとて。
「お家にお帰りカシュー もうすぐ雨が降る時間だわ」
【思考遊戯】
降り出した酸性雨 安全服を着てあれを後片付けする
作業員は寡黙に探知機の反応に
注意を配りながら薄汚れた白い病棟を眺めた
全てが腐蝕して黒く動く闇が淡々と終焉を知らせている
時の支配者以外は知らぬ事実も存在してはいるのだろうが
事の大きさ、そして神にも背く行為が行われた事ぐらいは
多くの残された人々も気付いていた
彼らを除いては聞こえていた天地の悲鳴が
僕に病室から外に出る許可が下りた
見た事のある人等いないけれど
僕が思っていたより僕と同じ境遇の人は多いみたいだ
病室が防音になっていた事には薄々気付いてはいたが
廊下に出ると叫び声や薄気味悪い笑い声が聞こえる
僕もああなるのだろうか
なればなったでそれもいい そっちの方が楽な気がするから
自ら終わらせる権利も今の僕には与えられていないし
今はのんびりとこの廊下を歩こう
コンピューターが作り出す四季には飽きていたから
数十分ぐらいだろうか
僕が院内を散歩していると突然サイレンが鳴り響いた
白い死神の様な医者や看護婦が僕の存在を無視して走り去っていく
何か あったのだろうか
=========保菌者-08 覚醒==========
吟遊詩人が心中しに集う苦悩に疲れて魔に憑りつかれて
孵化を知らせた夕方頃 古かった脳を入れ替えて皆が見上げた
ハレルヤの終わりと共に舞い降りた灰を帯びた白き鷹
祈りたまえ 命の影 拾いたまえ 命の汗
巨塔にいる人達は誰も白き鷹を見なかった
彼らの一部は少女への処置を検討し
一部は扉の前で様子を伺っていたのだから
僕の脳に不気味な不思議な声で誰かが話しかけてくる
「ねえカシュー どうして貴女は私に唄ってくれないの」
【TTB】
鎖のように少女を緊縛するメディカルチューブ
しかしRNA変異体の増殖はさらに激化する
インジケーターのモニタ上で暴れ回る波線模様
覚醒遺伝子の占拠率はすでに86パーセント強
穏やかな木漏れ日を演出していた常緑樹に
亀裂が走った直後に砕け散るオートスクリーン
暗黒という暴風雨が内部にも吹き荒れた同時刻
深い意識下で果たされた邂逅がもう一つ──
「助けてカシュー 私が私じゃ無くなってゆく」
隠 匿 憎 悪
異 種 開 眼 畏 怖
侵 蝕 衝 動
轟音と共に少女から放たれた凄まじい衝撃波
崩壊のプロローグを止める事などもう出来ない
少女の憎しみが彼方此方で引き起こす小爆発
彼女を篭城していた要塞は今やモータルキャッスル
立ち昇る業火が酸性雨もろとも人々を焼き
フラッシュバックの中で彷徨う数多の命の所在
少女が屋上で待ち続ける破滅への永劫の時間
だがその律動を遮って或る青年がヘリポートに立つ
──その業火の中で彼は、生きていたのだ
【思考遊戯】
僕はただ呆然とその光景を見ていた
否 見ていなかったのかも知れない
兎に角 気がつくと目の前には1人の少女が小鳥と戯れていた
もう景色なんていう言葉は存在しない
空も 雲も 太陽も 大地も 全てが 消えていた
ただ黒い中に少女と白い小鳥と
そして僕がいた
真空管の中を一週間彷徨う 異空間の中で踊る紅いマタドール
知恵を絞るピエロを見てよう 消えろ 消えろ 消えろ
一年戦争の話は異次元でしょ そうあんな夢物語で上を怖がり
下を転がり 流れて流れて それでも船は浮かぶ 深く 深く
深海へ 言い換えて 暗闇へ 船旅って そんなに楽じゃないね
AQUA体験 蓄えた貯蓄も尽き果て でも強がって 「もう動かねえ」
少女の瞳に吸い寄せられる様に僕は近付いた
彼女は僕の事を知っている様で笑顔で僕を呼んだ
「お父さん」って
健忘の延長線上に何があるのか見えず船上での会話と
その後の戦場の光景だけがボンヤリと残っていた
名も無き石ころの様な僕の記憶 酷く脆い僕の記憶を辿り意識は動く
ずっと崇高な何かに導かれる錯覚に 現実と非現実の差に足掻く日々
境界線などない 勝敗など 教会での教え 冗談にしてくれ
もう神様とやらが残酷な奴だって事ぐらい僕は知っている
僕と娘で今から何をしようか
考えても無駄だ
何もないのだから
何もないのだから
小鳥を手に乗せ娘が笑っていた
こんな光景も悪くない
この世界は終わったけれど
娘が壊したんだけど
でも娘は無邪気な笑顔を僕に向けてくる
こんな時間も悪くない
全ての終わりで全ての始まりだ
あ 赤い川がある
私の血だ
ぺg地尾h派b@f「ヴぇ」t個jrlんgp@khylん」hgbふぁだddfbんrwゆmんへgbsっふぁdfd
svfhbtn亜rftsgbだふぉ絵hとhp@んぁgんjyくmj、いおいkjmm、いty亜fdvbっヴァtギュじ
こl;p0おぃくjyっひぇえg
2003年
ハミル館
ジュンペイ・ウキタ教授とアルベルト・シマザキ教授の会話
「ワカバヤシさんの病状はどうかね?」
「統合失調症状及び人格障害クラスターBの兆候が見られますね。
それに伴い幻覚や妄想が激しい様です。」
「うむ。昨日は地球の終わりについて語っていたそうだね。」
「治療方法を少し変えるしかありませんね。リタリンの量も
増量しなければいけないか、と。ただ彼にカウンセリングの効果が
あるのかは疑問です。」
「我々、日本の臨床心理を含めた医学では彼には対応しきれないかも
しれないね。カルフォルニアのトム・ウエノ博士に連絡したまえ。 彼にとってもいい研究材料だろう。」
「かしこまりました。」
【TTB】
親愛なる Dr.Shimazaki へ
旧友からのチェスの誘いを期待して、風呂の後に読むE-MAIL。
悪くはなかったが、今の気分は悪趣味なマジックショーの観賞に良く似ている。
もし私が心理学者で無ければ冗談も程々にしてと言うね。
さて君の概説および添付ファイルによるとその患者は2050年、
つまりきっかり47年後に一人の少女と共に世界が終わると語ったそうではないか。
確かにそんな症例はこれまでの心神耗弱者、猟奇殺人者、少年犯罪者、
その他あらゆる社会の異端者の中でもほとんど類を見ない。
酸性雨というキーワードだけで絞っても膨大なデータベースに14,5人だ。
しかし先ほどさらに調べてみると、1979年のイギリス、1988年のオーストラリアで
精神科の開業医が纏めた症例に奇妙な共通項が見られる。
いずれも20代後半の独身男性におけるコルサコフ症状群が拡大化した際の幻覚症状で、
近代的な医療施設を背景とし、その建造物が、現実には居ないはずの娘と出会うと燃える。
もちろん幻像の規模やディテールの違いだけはあるが、
幻覚に登場するその少女の特徴が、同一人物と断定できる程ぴったり当て嵌まるんだ。
どうかね、普段から医学界のオカルト集団などと揶揄されるような人種を率いる、
この私でさえ興奮を隠し切れないシンクロニシティ。
共時性を立論した当時のユングなら飛び付いただろう。
しかしだね、君も知っていると思うが私は筋金入りの合理主義者だよ、
共時性の発見だけで狂喜するなど無駄であり、マジックショーなんて例えはもっと無駄だ。
そう今回の事例には、私にそれを言わせるだけの薄気味悪い余録がある。
驚くべき事に前述の二人の幻覚にも、少女と共に常緑樹を囲む、
「カシュー」という名前の不可解な小鳥が登場するのだよ。
問題はその名前なんだがね、残っていた当時のカウンセリングの詳細な記録、
及び担当医師の記述に目を通した今、もはや私はこの悪夢のような現実を拒みたいよ。
どうやら「カシュー」というのは飽くまで略式の愛称らしいのだが、
その正名というのが──
「カッサンドラ」
──予言を司る神の名だ。
非常に残念だが、今回の申し出は見合わせる。
人間が神とのチェスに勝利した事は、まだ一度もないからね。
君の永遠の友 Thomas Ueno
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過去への感情
http://sikoyugi.exblog.jp/688468/
2004-10-25T06:47:52+09:00
2004-10-25T06:46:46+09:00
2004-10-25T06:46:46+09:00
siko_yugi
詩
共に明日を迎えるだろうこんな夜に
前の彼女と僕が愛し合っていた時
あの頃も僕は前の前の彼女の事を考えていた
年月が経てば想いも落ち着き前に進むのに
何故に痛みは僕から消えていかないのだろうか
振り返って引きずって忘れようと必死なのに
それでも消えない記憶は何故なんだ
君に気付かれない様にオドけて見せて
未練って言う感情とも少し違うから
だけど君だけを愛しきれてるとも言えないんだ
どうして物語はいつも未完なんだろう
トラウマやドラマを全て消し去っておくれ
進みたい包みたい君のずっとずっと奥へ
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愛
http://sikoyugi.exblog.jp/621232/
2004-10-20T06:56:25+09:00
2004-10-20T06:55:19+09:00
2004-10-20T06:55:19+09:00
siko_yugi
詩
もう秋なのに 追う先あの日
忘れられない 明日選べない
無理なのに 罪が重い
今を笑うなら 見た永久は深さ
償えなくて 産むだけ刺す線
点でいいのに 戦跡に命
闇と交差点 神よもう駄目
暗がりは荒野 不可解な様だ
人だからこそ 見よ墓場の子
散る花みたいに 知った愛は死に
孤独と戯れ 鼓動を探すって
無理みたいだ 月みたいだ
見つけたら消え 静けさ欠いて
騒がしい街並 まだ愛に遭いたい ]]>
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